ChatGPT・Claude・Gemini などのAIを、調べもの・文章・資料づくりに使う方法を紹介します。

Research

調べものに使う

ディープリサーチ機能の使い方と向いている調べもの

目次
  1. 通常のチャットとの違い
  2. 向いている調べもの
  3. 依頼文の書き方
  4. 出てきた報告書の読み方
  5. 報告書を仕事に使える形にする
  6. 費用と時間の考え方
  7. 報告書が長すぎるときの扱い
  8. 追加で深掘りする
  9. 報告書の限界を知っておく
  10. 他のサービスとの併用
  11. 結果の保存と再利用
  12. 次にやること

ディープリサーチと呼ばれる機能は、通常のチャットよりも時間をかけて、複数のウェブページを読みながら報告書の形にまとめてくれる機能です。数分から数十分かかる代わりに、論点が多い調べものの下書きを、まとめて作ってくれます。

機能の名前や使える条件は、サービスごとに異なり、変更も多い部分です。ここでは、特定のサービスの操作画面ではなく、どのサービスでも通じる使い方の考え方を整理します。

通常のチャットとの違い

通常のチャットは、質問に対して数秒から数十秒で答えを返します。ディープリサーチは、質問を受け取ったあと、調べる計画を立て、複数のページを読み、内容を突き合わせて、出典つきの報告書にまとめるという流れで動きます。

そのため、手早く答えがほしい質問には向きません。一方で、複数の観点を横断して調べたい場合や、情報源が散らばっている話題では、自分で検索して読む時間を大きく減らせることがあります。手作業で半日かかる下調べが、AIの待ち時間と確認の時間を合わせて1時間ほどに収まる、という程度の差が出ることもあります。

利用できる回数や、使える料金プランには制限があります。執筆時点の内容は変わりうるので、使う前に公式の案内を確認してください。

向いている調べもの

向いているのは、次のような調べものです。

  • 業界や制度の動向を、複数の情報源から整理したいとき
  • 複数のサービスや手法を、同じ観点で比べたいとき
  • 初めて扱う分野の、全体像と主要な論点をつかみたいとき
  • 報告書や提案書の、下調べの部分を用意したいとき

逆に、向いていないのは、社内の資料にしか載っていない情報、最新数日以内の速報、個人の状況に強く依存する相談などです。公開されたウェブの情報が材料になるため、公開されていない情報は調べられません。

依頼文の書き方

ディープリサーチは一度走り出すと、途中で方向を変えにくいため、最初の依頼文が大切です。次の五つを入れます。

  1. 調べたいテーマと、調べる目的
  2. 報告書を読む人と、その人の知識の程度
  3. 調べてほしい範囲(期間、地域、対象)
  4. 含めてほしい観点と、除いてよい観点
  5. 出力の形(見出しの構成、長さ、表の有無)

多くのサービスでは、実行前にAIが確認の質問を返してくれます。そのときの質問に丁寧に答えると、報告書の精度が上がります。急いで「おまかせ」と返してしまうと、的外れな報告書になることがあります。

出てきた報告書の読み方

報告書は、読む順序を決めておくと確認しやすくなります。最初に結論部分を読み、次に、結論を支えている根拠の数字と出典を見ます。そのうえで、出典として挙がったページを、重要なものから順に開きます。

見るべき点は三つです。出典が実在するか、出典に書かれた内容が報告書の主張と合っているか、出典が信頼できる発信元か。個人のブログや出典の不明なまとめサイトばかりが並んでいる場合は、報告書の信頼度を下げて扱います。

報告書の中に、断定的な表現があるのに出典がない箇所があれば、そこが確認の優先箇所です。AIに「この主張の根拠となる出典はどれか」と追加で質問することもできます。

報告書を仕事に使える形にする

報告書は下書きとして受け取り、仕事の成果物にするためには、自分の手で整える作業が必要です。

まず、自分の判断が入る箇所、つまり「この会社ではどうするか」という部分は、人が書き足します。AIの報告書は一般論で終わりがちで、自社の事情に引きつけた結論は書けないためです。

次に、数字を使う箇所は、出典を直接確認して、確認した日付を添えます。最後に、全体を読み直し、読む人に合わせて言葉づかいと長さを調整します。この仕上げ作業をAIに手伝わせるときは、元の報告書から事実を変えないよう指示を添えます。

費用と時間の考え方

ディープリサーチは、回数に制限がある場合があります。何でも頼むのではなく、使いどころを選びます。簡単な質問は通常のチャットで済ませ、論点が多く、後で資料に使う調べものにだけ回すのが、無理のない使い方です。

また、待ち時間の間に別の作業を進められる点も利点です。依頼文を送ったら、その間に別の資料づくりをして、完了の通知が来たら戻る、という流れにすると、時間を無駄にしません。

報告書が長すぎるときの扱い

ディープリサーチの報告書は、数千字から一万字を超えることがあります。全部を同じ熱量で読むのは現実的ではありません。まず「結論と要点を300字でまとめて」と頼み、全体の見取り図を得ます。次に、その中で自分の判断に直結する章だけを通して読みます。

読まない章を決めるときは、目次を見て「この章がなくても判断できるか」を考えます。残りの章は、後で必要になったときに、検索機能で探して読めば足ります。

追加で深掘りする

報告書を読んで気になった点は、同じチャットの中で追加の質問ができます。「第2章で触れた規制の動きについて、時期と内容をもう少し詳しく」と頼めば、通常のチャットとして答えてくれる場合が多くあります。ここで追加の出典も求めておくと、確認すべき資料が増え、より根拠のある判断ができます。

報告書の限界を知っておく

ディープリサーチは、公開されたウェブの情報の範囲で動きます。有料のデータベースや、会員限定の資料、社内の情報は読めません。また、検索の対象になったページが偏ると、報告書の視点も偏ります。大切な判断では、複数の方法で調べた結果を重ねて見る姿勢が欠かせません。

他のサービスとの併用

一つのサービスのディープリサーチだけに頼らず、別のサービスや、通常の検索と組み合わせると、情報の偏りを減らせます。同じテーマで二つのサービスの報告書を比べると、共通している点は信頼しやすく、食い違いのある点は丁寧な確認が必要だと分かります。

結果の保存と再利用

出てきた報告書は、日付と依頼文と一緒に保存します。同じテーマを後日調べ直すときに、前回との違いを比べられます。また、報告書の良い構成や見出しは、次回の依頼文の型として活かせます。保存先は、チームで共有できる場所にしておくと、他の人の調べものにも役立ちます。

次にやること

使えるサービスがあれば、まず小さなテーマで一度試してみてください。たとえば「自分の業界で最近話題になっている規制の動き」のように、自分で答え合わせができるテーマが向いています。

  1. 目的、読み手、範囲、観点、出力の形を依頼文に書く
  2. 報告書が出たら、結論と出典を先に見る
  3. 出典を三つ開き、報告書の記述と合っているか確かめる
  4. 自分の知っている事実と照らして、間違いや抜けがないか見る

自分が詳しい話題で一度試すと、報告書の質と、確認にかかる手間の感覚がつかめます。その感覚をもとに、本番の調べものでどこまで任せるかを決めてください。