ChatGPT・Claude・Gemini などのAIを、調べもの・文章・資料づくりに使う方法を紹介します。

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業務マニュアルをAIで作る:手順の聞き出し方

目次
  1. マニュアルの対象を決める
  2. 担当者から手順を聞き出す
  3. 構成を決める
  4. 判断が必要な場面を書く
  5. 画像や画面の写真
  6. 使ってもらって直す
  7. 動画や写真を使った手順の記録
  8. 目次と検索のしやすさ
  9. 属人化の解消という目的
  10. 完成後の更新ルール
  11. 最初の完成度の目安
  12. 次にやること

業務マニュアルをAIで作るときは、先に担当者の作業をメモや録音で書き出し、それをAIに整理してもらう流れが現実的です。AIにゼロから手順を作らせると、実際の職場にはない作業が混ざるため、材料は現場から取ります。

マニュアルは、作って終わりではなく、使ってもらって直すものです。AIは整理と文章化に役立ちますが、正しさの確認は、実際にその作業をしている人が行います。

マニュアルの対象を決める

最初に、どの作業のマニュアルを、誰が使うのかを決めます。

  • 作業:請求書の発行、問い合わせ対応、備品の発注など
  • 読み手:新入社員、他部署からの応援者、パートの方など
  • 使う場面:初めてやるとき、たまにやるとき、忘れたときの確認
  • 求める粒度:画面操作を一つずつ書くか、要点だけでよいか

読み手によって、必要な説明の量が変わります。新入社員には、用語の説明や、作業の目的も必要です。経験者向けなら、手順の抜け漏れを防ぐチェックリストで十分なこともあります。

一つのマニュアルに、複数の読み手の要望を詰め込むと、長く読みにくくなります。読み手ごとに分けるか、基本の手順に加えて、経験者向けの補足を別に設けます。

担当者から手順を聞き出す

手順を最もよく知っているのは、普段その作業をしている担当者です。ただし、慣れた人は無意識に行う作業が多く、言葉にするのが難しいことがあります。

聞き出す方法は、次のいずれかです。

  1. 作業しているところを横で見ながら、気づいたことをメモする
  2. 担当者に作業しながら声に出して説明してもらい、録音する
  3. 作業の画面を録画しながら、操作を確認する

録音や録画は、会社の規則と本人の同意の範囲で行います。画面に顧客の情報や社外秘が映る場合は、そのままAIに入力しないよう注意します。

メモや文字起こしは、AIに渡して整理します。「次のメモは、請求書発行の作業を担当者が説明した内容です。手順に番号をつけて整理してください。メモにない手順は付け足さず、不明な点は『要確認』と書いてください」と頼みます。

構成を決める

マニュアルの基本の構成は、次のとおりです。

  1. この作業の目的と、いつ行うか
  2. 始める前に必要なもの(権限、資料、道具)
  3. 手順(番号つきで、一つの手順に一つの操作)
  4. 完了の確認方法
  5. よくある間違いと、その対処
  6. 困ったときの連絡先

AIに、この構成に沿った下書きを頼みます。手順は、一つの番号に一つの動作だけを書きます。「画面を開いて入力して保存する」ではなく、三つの手順に分けます。分けると、読み手が今どこにいるのかが分かりやすくなります。

判断が必要な場面を書く

マニュアルで見落とされやすいのは、判断が必要な場面です。「金額が10万円以上なら、上長の承認を得る」のような条件分岐は、読み手が迷うところです。

担当者に「この作業で、迷う場面や、例外が起きる場面はありますか」と聞き、答えを材料に加えます。AIに、「条件によって手順が変わる箇所を、表にして整理して」と頼むと、分かりやすくまとめられます。

例外の扱いが決まっていない場合は、マニュアルに書かずに、決まっていないことを課題として別に記録します。担当者の判断に任せている部分を、そのまま文書に落とすと、後でトラブルになることがあります。

画像や画面の写真

画面操作のマニュアルは、画面の写真を入れると分かりやすくなります。撮影した画像に、顧客の名前や個人情報が写っていないかを確認し、あれば隠します。

AIに画像を渡して説明文を作らせることもできます。ただし、画像に写っている情報を外部のサービスに送る点に注意します。社内のルールに従って判断してください。

画面は、ソフトの更新で変わります。画像が古くなったときに直しやすいよう、マニュアルの末尾に更新日と、確認した人を記録します。

使ってもらって直す

マニュアルが完成したら、その作業に慣れていない人に、マニュアルだけを見て作業してもらいます。つまずいた箇所、迷った箇所を観察し、記録します。

AIに、つまずいた箇所を伝えて、「この説明を、初めてやる人にも分かるように書き直して」と頼めます。直したら、再度別の人に試してもらいます。

担当者にも、完成したマニュアルを確認してもらいます。「実際の作業と違う点はないか」「抜けている注意点はないか」を聞きます。

動画や写真を使った手順の記録

文章だけでは伝わりにくい作業は、写真や短い動画を使うと理解が早くなります。担当者の作業を撮影し、その映像を見ながら、手順を文章にします。映像から文字起こしを作れる機能もありますが、画面に写る情報に機密が含まれていないか確認します。

動画は、更新が必要になったときに作り直す手間がかかります。変更が多い手順は、文章と画像の組み合わせにし、変更が少ない手順は動画にする、という使い分けも考えられます。

目次と検索のしやすさ

マニュアルが増えると、必要な手順を探すのに時間がかかります。目次を作る、作業名で統一した名前をつける、よく使う手順を一覧にまとめる、といった工夫が役立ちます。

AIに、マニュアルの一覧を渡して、「作業の種類ごとに分類して、目次を作って」と頼むと、整理の案が得られます。名前のつけ方に決まりを作り、「作業名対象更新日」のように統一します。

属人化の解消という目的

マニュアルを作る本来の目的は、特定の人にしかできない仕事をなくすことです。作る過程で、担当者の頭の中にあった暗黙の知識が、文章として表に出てきます。これは、組織にとって大きな資産になります。

担当者が忙しい場合は、短時間のインタビューを重ねて、少しずつ進めます。AIを使えば、インタビューの内容を整理する時間を減らせるため、担当者の負担を抑えられます。

完成後の更新ルール

マニュアルは、完成してからが本番です。半年に一度は見直す、業務の手順が変わったらすぐ更新する、といったルールを決めます。更新する担当者と、更新の履歴を残す場所も決めておきます。

AIに、変更点を伝えて、「関係する手順を洗い出して」と頼むと、更新の漏れを減らせます。

最初の完成度の目安

最初のマニュアルは、完璧でなくて構いません。八割の完成度で使い始め、使う人の声で直していくほうが、実用的です。完璧を目指して公開が遅れるより、不完全でも早く現場に出して、改善の材料を集めるほうが、結果として良いものになります。

次にやること

自分の部署で、よく人に聞かれる作業が一つあれば、そのマニュアル作りを始めてください。

  1. 作業と読み手を決める
  2. 担当者に説明してもらい、メモを取る
  3. AIにメモを整理させ、「要確認」の箇所を埋める
  4. 初めての人に使ってもらい、つまずきを直す
  5. 更新日と、担当者の名前を記録する

最初から完璧を目指さず、1枚のチェックリストから始めて、使いながら育てていくと、続きやすくなります。