ChatGPT・Claude・Gemini などのAIを、調べもの・文章・資料づくりに使う方法を紹介します。

Documents

資料をつくる

提案書の骨子をAIで作る手順

目次
  1. 提案の前提を整理する
  2. 骨子の構成を決める
  3. 効果の書き方に注意する
  4. 費用と条件の扱い
  5. 点検の観点
  6. 機密と著作権への配慮
  7. 提案書のレビューの進め方
  8. 相手に合わせた調整
  9. 提案後のフォロー
  10. 提案が通らなかったとき
  11. 提案書の長さの目安
  12. 契約書や覚書との関係
  13. 次にやること

提案書の骨子をAIに作らせるときは、相手の課題、自社の提案内容、根拠、費用、進め方の五つを先に整理して渡します。AIは骨子の形を整えるのは得意ですが、相手の本当の悩みや、自社が実際にできることまでは知らないためです。

骨子ができた時点で、提案書の八割は決まります。残りの作業は、骨子に事実と根拠を埋めていくことです。ここでは、骨子づくりの手順と、AIの出力を点検する観点を紹介します。

提案の前提を整理する

AIに頼む前に、前提を書き出します。

  • 相手:会社の事業、規模、担当者の役割
  • 相手の課題:打ち合わせで聞いた内容、困っている点
  • こちらの提案:何を、どのように提供するか
  • 期待される効果:事実として言える範囲
  • 条件:予算の目安、期限、制約

相手の課題は、聞いた言葉のまま書きます。自分の解釈や推測は、「解釈」として別にします。AIが相手の課題を想像で作り出さないように、「ここに書かれた課題以外は付け足さないで」と添えます。

相手の会社について調べた情報は、公式サイトなどで確認できるものだけを使います。確認できない情報を、事実として書くのは避けます。

骨子の構成を決める

提案書の標準的な構成は、次のとおりです。

  1. 要約:提案の結論と、期待する決定を一枚で
  2. 現状と課題:相手が抱えている問題の整理
  3. 提案内容:課題に対する具体的な解決策
  4. 期待できる効果:何がどう変わるか
  5. 進め方とスケジュール:誰が、いつ、何をするか
  6. 費用:見積もりと、含まれる範囲
  7. 次のステップ:決定してほしいこと、連絡の方法

この構成をAIに渡して、「前提の情報を元に、各項目に書く内容の要点を箇条書きで出して」と頼みます。文章ではなく要点にしておくと、確認や修正がしやすくなります。

効果の書き方に注意する

提案書で最も気をつけたいのは、期待できる効果の書き方です。AIは、魅力的な効果を並べようとして、実際には保証できない内容を書くことがあります。

「売上が上がると言い切る」「導入が簡単だと言い切る」といった表現は避けます。根拠のない数字も入れません。効果は、「過去の同種の取り組みで、時間が短くなったという報告がある」のように、事実に基づく範囲で書きます。

効果の数字を出す場合は、出典か、自社の実績の記録を示します。実績を使う場合は、相手の許可を得た範囲に限ります。

AIに「この効果の記述のうち、根拠が示されていないものはどれか」と聞くと、書き直す箇所が見つかります。

費用と条件の扱い

費用は、提案書の中で最も正確さが求められる部分です。金額、数量、範囲、期間、支払条件を、AIに作らせず、自分で作った見積もりを元に書きます。

AIに頼めるのは、見積もりの項目を分かりやすく表にする作業や、説明の文章を整える作業です。数字を扱うときは、AIが表を作ったあとに、合計金額と各項目の金額を電卓で検算します。

含まれないもの、つまり範囲外の作業も明記します。「この見積もりには、データの移行作業は含まれません」と書いておくと、後のトラブルを避けられます。

点検の観点

骨子とその後の本文を点検するとき、次の観点で見ます。

  1. 相手の課題に、正面から答えているか
  2. 提案内容が、自社の実際にできる範囲に収まっているか
  3. 効果の記述に、根拠のない断定や誇張がないか
  4. 数字が、見積もりや元のデータと一致しているか
  5. 相手が次に何をすればよいかが明確か
  6. 相手の会社名、担当者名、製品名に誤りがないか

AIに「相手の立場で、この提案書を読んだときの疑問や不安を5つ挙げて」と頼むのも有効です。出てきた疑問に、あらかじめ答えを用意しておけば、提案の説得力が増します。

機密と著作権への配慮

提案書づくりに相手の情報を使う場合は、AIに入力してよい範囲を確認します。相手との契約書の秘密保持の条項や、会社のルールに従います。

また、過去の提案書や他社の資料の文章を、そのまま流用することは避けます。AIに「この文章を参考に」と頼んだ場合も、出力が元の文章に酷似していないかを確認します。

提案書のレビューの進め方

提案書を相手に出す前に、社内でレビューを受けます。レビューする人には、提案書の目的と、相手の情報を伝えたうえで、「相手の立場で読んで、疑問に思う点を挙げてください」と頼みます。

AIにも、レビューの補助を頼めます。「この提案書の、論理の飛躍している箇所、根拠が弱い箇所、用語が分かりにくい箇所を指摘して」と頼みます。指摘された箇所を直し、再度、人によるレビューを受けます。

相手に合わせた調整

同じ提案でも、読む相手によって、強調するべき点が異なります。経営者には費用対効果とリスクを、現場の担当者には使いやすさと導入の負担を、情報システムの担当者には安全性と連携の仕組みを、それぞれ中心に書きます。

AIに「この提案を、現場の担当者向けに書き直して」と頼むと、視点を変えた案が得られます。複数の読み手がいる場合は、要約を共通にして、詳細を読み手別に分けた構成にします。

提案後のフォロー

提案書を出したあとの動きも大切です。相手からの質問に備えて、想定問答を作っておきます。AIに、提案書の内容を渡して、「相手から出そうな質問を10個挙げ、回答案を作って」と頼みます。回答案は、事実を確認してから使います。

提案が通らなかったとき

提案が採用されなかったときも、学ぶ機会です。相手に、差し支えなければ、理由を聞きます。価格、時期、内容、優先順位など、理由はさまざまです。聞いた内容を記録して、次の提案に活かします。

AIに、提案書と、聞いた理由を渡して、「次の提案で改善できる点を挙げて」と頼むと、整理の助けになります。ただし、相手の本当の事情は、AIには分かりません。相手との対話から得た情報を最優先にします。

提案書の長さの目安

提案書は、短いほうが読まれます。本文は、10ページ以内に収めることを目安に、詳しい根拠や資料は付録に回します。AIに「この提案書を、本文を半分にして、詳細は付録にする構成に直して」と頼むと、整理の案が得られます。

契約書や覚書との関係

提案書は、契約書とは別の文書ですが、提案書に書いた内容が、期待として残ります。契約の段階で、提案書の内容と食い違いがないかを確認します。約束できない内容を提案書に書いてしまうと、後でトラブルになります。契約に関わる文言は、法務の担当者に確認してもらいます。

次にやること

近く提案書を書く機会があれば、次の順で進めてください。

  1. 前提を五項目で書き出す
  2. 構成を決め、AIに要点を出させる
  3. 効果の記述を、事実に基づく表現に直す
  4. 費用の数字を自分で検算する
  5. 相手の疑問を5つ想定し、答えを用意する

骨子の段階で上司や同僚に見せ、意見をもらうと、本文を書く前に方向を直せます。完成した提案書は、提出後に相手の反応を記録し、次の提案に活かしてください。